シューゲイザーとポストロックを中心とした音楽性がとにかく自分の好みである。きのこ帝国の作品は中期から後期にかけてポップ寄りになってしまうのでこのアルバムあたりの音楽性が一番きのこ帝国の良さが引き出されていると思う。歌詞、歌声、サウンドに関してはとにかく陰鬱で殺気立っている。囁くように、時には叫ぶように歌う佐藤千亜紀のボーカル、美しさと疾走感と激しさを併せ持つギターのサウンドが素晴らしい。
個人的フェイバリットは《1 WHIRLPOOL》、《3 スクールフィクション》。
1はやはりシューゲイザー由来の轟音が素晴らしい。イントロでもう脳が吹っ飛びそうになるような気持ちの良い轟音が広がる。そして佐藤の囁くようなボーカル、繰り返される歌詞、静と動を繰り返しつつ盛り上がる曲調、聞いてるうちにまさに「渦になる」そんな曲だと思う。シューゲイザーの入門にはもってこいの曲。
3はきのこ帝国を知った曲なので個人的にはとても思い出深い。イントロがやはり神がかっている。静かなギターリフから、唐突に激しく荒々しいギターリフが展開される。毎回鳥肌が立つほどカッコいい。一方でAメロはとても気だるい感じでそこの静と動の使い分けも素晴らしい。
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